Q. 刑事と民事は別と聞きましたが、詳細を教えてください。
A. 交通事故 は、民事事件の側面と刑事事件の側面を持っています(正確には、運転免許についての行政事件の面も持っています)。
被害者が負傷・死亡した場合には、運転者は刑法上、自動車運転過失致死傷罪(刑法 211 条)や危険運転致死傷罪(刑法208条の2)の罪に問われます。
警察官による捜査・取り調べが終わり、検察官が起訴して刑事裁判になれば、運転者の刑事責任を決めるために審理がなされ、判決が言い渡されます。
ニュースで聞くような、「懲役●年 執行猶予■年」といったものです。
民事上では、運転者は、不法行為責任を負い、被害者に生じた損害を賠償する義務があります(民法709条)。
こちらは「お金」(賠償)の問題であり、たとえば治療費や慰謝料の請求といったものです。民事裁判になり判決となれば、「被告は、原告に対し、金●円を支払え」という判決が出ることになります。
このように、交通事故では、刑事と民事の問題が同時に登場しますが、手続きとしてはまったく別個となります。